今回は、不労所得の税金について解説します。実は不労所得構築のための、一番大きな落とし穴は税金になります。どれだけ稼いでも税金対策が出来なければ、お金が手元に残りません。
不労所得において、税金の知識とその対策方法を学ぶことは必須。この知識なく、稼ごうと思っても絶対に痛い目を見ますから。
と言いますか、お金持ちになりたいなら、税金の知識はMUSTですね。
本記事の前半では、不労所得の税金について全体像から説明してます。後半では、不労所得の税金でよく質問される分野の、不動産、FX、競馬、仮想通貨、株式投資の税金について具体的に解説して行きます。
不労所得の税金対策について、網羅的に解説してますので、最後まで目を通して気をつけるべきポイントを理解して抑えてください。
Contents
不労所得の税金対策について

まず抑えるべきは、個人と法人の違いです。それと投資所得と事業所得の違いですね。基本は法人で納税したほうが絶対的に有利
何故なら、社会保険料ならびに年金まで考慮した場合、個人の方が圧倒的に税率が高いから。
わかりやすく言えば、以下のような違いがあります。
法人の実効税率が最大33.59%に対して、個人に関しては最大55.1%
さらに具体的見たい場合は、以下の表を参照にしてください。



年間で600万くらいの課税所得になりますと、もう実効税率で言えば、法人の方がやすくなります。これは月50万稼いだら達成してしまう数字。ですので、不労所得の税金対策と言えばまず法人化なのは間違いありません。
次に、投資所得と事業所得の違いです。以下のようにざっくりでいいので抑えてください。
投資所得の場合のみ、個人で納税した場合の方が得になるケースがあるが、基本法人の方が有利
投資の所得に関しては、個人の税率が安いと思われている方も多いと思いますが、盲目的に信じるのは危険です。個人の場合、投資でも常に社会保険の負担も考慮して損得計算すべき。
投資に関する所得に関しては、NISAなどの制度利用をする場合と、小さい金額での投資をする場合のみ、個人のが有利というのが実態。
実は、扶養に入られている方と社会保険に加入されている方を除いては、投資で得た所得に関しても、負担は増えますので場合によっては法人で、利益を出した方が実際の社会保険と税負担額まで考えた場合は有利になるケースが多いのです。
またそもそも法人の事業所得の場合は、損金への算入範囲も広いので、法人の方が圧倒的に節税に有利なのは間違いありません。
不労所得は、仕組みをしっかりと構築すれば、私たち自身の経済的・時間的自由をもたらしてくれますが、税金面の対策を疎かにすると思わぬ落とし穴に落ちてしまうので、絶対に気をつけないとダメ。

不労所得の税金の種類
さて、では一般的な税金の種類について解説します。
税金計算では、所得を「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「一時所得」「雑所得」「譲渡所得」「先物取引に係る雑所得」「給与所得」に分けて法律を規定してます。
また、個人の税率については以下の点についても、まず最初に理解してほしい大きなポイント。
・総合課税は、累進課税が適用されて社会保険含めると55.1%課税される=個人だと不利になるケース
・分離課税は、一律で税金が決められており、社会保険に影響を与えない=個人で納税した場合有利になることもあるケース
不労所得:「利子所得」とは?

利子所得とは、預貯金及び公社債の利子並びに合同運用信託、公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託の収益の分配に係る所得をいいます。
日本では、殆ど銀行に預けても金利つきませんけどね^^;
日本の定期預金の金利は、ネット銀行などのよい所で0.5%程度、大手銀行ですと0.001%、大金を預けても0.01%という異様な低金利です。さらに利子所得は、20.315%の税金が取られる。(参照)
国債でも0.05%という低金利。一方でソフトバンクなどの社債が2%という数字でいっとき話題になりました。しかし、世界基準で見ればこれらは全て超低金利と言わざるを得ません。
ちなみに中国のAlipayというサービスは2018年9月9日現在なんと金利年間で8%つきます。利子所得を構築して行きたいのであれば、海外も含めた投資先を考える必要があります。
不労所得:「配当所得」とは?

配当所得とは、株主や出資者が法人から受ける剰余金や、利益の配当、剰余金の分配、投資法人からの金銭の分配又は投資信託(公社債投資信託及び公募公社債等運用投資信託以外のもの)及び特定受益証券発行信託の収益の分配などに係る所得のこと。
イメージしやすい所で言えば、株式の配当と、投資信託の分配報酬などでしょうか。
大体目線で言えば5%出ていれば、配当利回りとしてはかなりいい部類に入ります。しかし、業績悪化の場合は、企業側が減配をしこの比率が下がることはよくある話。
また、配当所得は以下の方式で課税されます。
メリット:手間がかからない
デメリット:配当控除や所得税等の源泉徴収税額の控除を受けられない
メリット:損益通算、配当控除で税金がやすくなる、但し、課税所得が330万以下、株の利益と配当所得合わせて38万円以下の場合に恩恵を受ける形
デメリット:確定申告の手間がかかる
細かい話を言えば、住民税と所得税で課税方式を変えて払うことが認められているため、それらを利用することで節税ができたりもしますが、概ね20.315%支払いが必要なのが配当所得の目安だと覚えておきましょう。(参照)
不労所得:「不動産所得」とは?

不動産所得とは、不動産を保有したり売買したりすることで得ることのできる、家賃収入や不動産売買収入のことをさします。
不動産では、取得、保有、売却、相続・贈与のそれぞれの場面で得られる報酬や税金が変わります。4つの場面に分けて理解することで、比較的難しく感じる不動産の税金もとっつきやすいです。
不動産所得は、不労所得でもっともポピュラーなものの一つ。一方で税金が取得、保有、売買、相続時にそれぞれかかってきますので、一度網羅的に学んで置くことをお薦め。
また、不動産こそ、個人で保有してしまいますと節税の幅が著しく下がってしまいますので法人で保有することが望ましい。具体的な内容はこの後述するので見てください。
不動産所得の税金について、初心者だけど網羅的に学びたいという人は以下の本がお薦め。
不労所得:「事業所得」とは?

事業所得とは、その名の通り事業を通じて得ることができる収入になります。不労所得に一番該当する項目が多いのがこの事業所得。何故なら、不労所得とは、仕組みを構築して得る収入のことをさし、仕組みを構築して得る収入は事業がもっとも種類が多いから。
サラリーマンですでに給与所得がある方は必然的に確定申告が必要になってきます。最近では、副業を承諾する会社も増えましたので、アフィリエイトや転売などのインターネットビジネスを通じて、この事業所得を計上する人も増えてます。
事業所得に関する税金は、事業収入からその事業に関わる経費を除いたものになります。これも個人と法人で変わりますが、税率については本記事に前述しました。ある一定額を超えたら必ず法人化しましょう。
様々な形で報酬を得たとしても、実効税率そのものが高いままですと、手元にお金が全く残らないという悪循環になります。
不労所得の構築とは最終的には、自己資本を膨らませる、運用できる資産総額を増やすことに他なりません。よって如何に合法的な範囲で収入を作り上げ、納税をして資産を増やしていくかを考えることが大事。
不労所得:「一時所得」とは?

一時所得とは、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
- (1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
- (2) 競馬や競輪の払戻金
- (3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
- (4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものは除きます。)
- (5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
宝くじとか競馬の馬券とかですね。ある意味、不労ではあるので、不労所得として捉えている人も多いのもわかりますが、突発的な収入なので安定はしません。
- 総収入金額-収入を得るために支出した金額(注)-特別控除額(最高50万円)=一時所得の金額
競馬については、一時所得だけではなく、雑所得にもなりますので、その場合分けについては後述。
不労所得:「雑所得」とは?

雑所得とは、年金や原稿料など不動産所得でも事業所得などの9種類の所得に当てはまらないものをさします。
収入金額 – 公的年金等控除額 = 公的年金等の雑所得
(注) 公的年金等控除額は、受給者の年齢、年金の収入金額に応じて定められています。
総収入金額 – 必要経費 = その他の雑所得
基本的に個人では総合課税に含んで最終的に計算されますね。
一点注意点があって、海外のFX上の利益は全てこの雑所得に計上されますので、特に注意が必要です。FXで月100万稼いだ、バイナリーで月100万稼いだと言っても、雑所得になった途端、個人所得の税率で社会保険料まで含めて取られますので、半分近く持ってかれる。これがとても厳しい。
それと、この所得は損失の繰り延べができません。海外FXで大きな損を出しても翌年に持ち越しができない点は十分に注意しましょう。
特に海外証券を利用して投資している人は気をつけるべき所得がこちらになりますね。あと、仮想通貨も同様。

不労所得:「譲渡所得」とは?

譲渡所得とは、土地や建物などの資産や株式などを売却した時に出た利益のことを言います。
最終的な仕組みの出口を考える場合には、この譲渡所得も不労所得の税金対策として考えておかなければならないものの一つでしょう。
サイトの売買、不動産の売買など、仕組み自体を販売することで大きな利益を稼ぐことが可能だからです。税率については様々ですが、不動産は保有期間に応じて税金が安くなることがあると覚えておくといいですね。
不労所得:「先物取引に係る雑所得等」とは?

こちらは、商品先物取引に関わる雑所得。不労所得の税金対策としては、FXやバイナリーがここに入ってくると覚えておいてください。個人ですと分離課税になり一律20%となりますので、これは例外的に、法人より有利なこともある所得になりますね。
商品先物取引の場合は、日経225先物、FX取引はもちろん、CFDやバイナリーオプション、TOPIX先物などデリバティブ系の他の商品とも損益通算することが可能。
また、個人の場合は確定申告をすることで、損失の繰り延べもできますので、認識すべきポイント。いわゆる金融取引をする人にとっては馴染みのある所得なのですが、全くやったことない人だとあまり知られてないものです。
FXやバイナリーの税金の知識は不労所得の税金対策のためにとても大事なので、以下の表の内容はよく覚えておいてください。

不労所得:「給与所得」とは?

給与所得とは、その名前の通り給与でもらう所得になります。但し、不労所得構築するということは、結果的に自分で法人を持つことにいずれなりますので、法人から個人への所得移転の方法の一つでしかないという点をまずは押さえましょう。
加えて、もう一つ大事な点があります。それは、給与所得の支払いを法人が行う場合、必ず社会保険に入らなければいけないという点。これを支払うようになると、サラリーマンで社会保険を支払ってた時の単純に負担が倍という最悪さ。
社会保険とは、「雇用保険」「労災保険」「健康保険」「厚生年金保険」の4種類があります。実はサラリーマンが負担してる金額と同じ金額を会社も負担しなければならないのです。実際独立して自分で会社経営をして、自分で支払いを行うとなるとここがものすごい負担。
実は前段で話た個人所得の最高税率の55.1%に加えて、法人が負担する社会保険料負担も乗っかってきますので、単純に計算しても6割以上の負担。普通に払うのがあほらしいレベル。
ちょっと計算自体は細かくなりますけど、以下のサイトがおすすめ。
給与や賞与の報酬額から平成30年度の健康保険料、介護保険料、子ども・子育て拠出金とその従業員の負担額を計算できるサイト。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1324355661
給与や賞与の報酬額から厚生年金保険の保険料および従業員の折半額を計算できるサイト。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1324270485
不労所得の税金 不動産について

不労所得の税金について、もっとも質問が多いのが、やはりこの不動産になります。
前述した通り、不動産については、取得、保有、売却、相続それぞれの時点でかかってくる税金が違うということをまずは理解して4つ順番に抑えるべき。
それと、これから不動産を通じて不労所得を構築する人に向けて、100億以上の資産運用をみてきた私から声を大にして言いたいことがあります。それは、「不動産で起こることは8割りは想定可能」ということです。そして「購入時点で勝負の9割は決まる」ということ。
つまり、不動産こそ事前に仕組みを学び、情報を集め、徹底的にシミュレーションしなければ成功が難しいということです。
そのため最低限でも以下の本の中身くらいは全て理解して使いこなせるようになる必要があります。全て数字に置き換えて考える癖をぜひ、不動産で学んでください。それは、事業収支を考えることにも繋がり、ひいては不労所得を構築するために必要なことを教えてくれます。
不労所得の税金 FXについて

不労所得の税金で、不動産に続いてやはり質問が多いのがFX。
このFXの投資について、一番最初に押さえておかなければいけないのが、その取引している証券会社なりFX会社が国内の会社なのか、海外の会社なのか。
海外の会社の場合は個人ですと一律、雑所得になってしまいます。一方で国内の会社の場合は、個人ですと先物取引に関わる雑所得になり、税率が分離申告で安く押さえられております。
法人の場合はあまりきにする必要はありません。よって、海外の証券口座を通す場合は法人名義でやりましょう。
また法人でFX取引を始めた場合は以下のメリットがあります。
・レバレッジ規制が無くなる(国内個人は25倍)
・個人の時よりも経費に含められるものが増える(・家賃(事務所代)・社用車購入代金・税理士代・保険料・役員報酬(自分の給料)・社員への給料)
・損失繰越が9年間可能
デメリットとしては、設立に20万円程度(合同会社なら10万円程度)かかるのと、毎年の法人の確定申告が必要になるというところくらいですので、FX取引で不労所得をしっかり構築し、税金対策までやるなら、法人かがまずはおすすめです。
ただし、本当に大きく稼げるようになった場合は、シンガポールなどに移住してしまえば税金は0なので、全く問題が無くなるということになります。
不労所得の税金 競馬について

何故か、不労所得=楽して稼ぐという意味で、競馬をイメージする人が多くこれも質問がたまにきますね。
馬券の利益に関しては、通常個人が遊びでやるものですので、個人の税負担を前提に書いていきます。
まず、競馬でえた所得は、通常、一時所得。ですので50万円以上の利益を得た人は課税される形になる。さらに一時所得は総合課税になりますので、個人所得として最大51%の税金と社会保険負担が生じてしまいます。
これに対して、ある条件を踏まえますと、外れ馬券も経費計上できて、かつ、雑所得として計上して、分離課税で税率を20%に押さえて申告することが可能。これが大きい。
馬券を自動的に購入するソフトウエアを使用して独自の条件設定と計算式に基 づいてインターネットを介して長期間にわたり多数回かつ頻繁に個々の馬券の的 中に着目しない網羅的な購入をして当たり馬券の払戻金を得ることにより多額の 利益を恒常的に上げ、一連の馬券の購入が一体の経済活動の実態を有することが 客観的に明らかな人
所得税法第34条の1項の例外規定に当てはめる必要があるということで、詳しく条件を知りたい人は以下のサイトをしっかりと読み込んでください。
不労所得の税金 仮想通貨について

これも2017年に大勝ちした人がたくさん出ました。しかし、税金対策ができておらずに死亡した人も多数出ております。
まず仮想通貨は雑所得に分類される点を押さえましょう。つまり個人ですと総合課税で社会保険料も含めると最大55%持っていかれる計算になります。さらに、雑所得のため損失の繰り延べができません)汗
よって下手に使ってしまった人は今年に入ってからの納税ができずに困るというパターンも比較的多く見受けられました。
あとは含み益を持たれている方は、以下の点もしっかりと理解しておいたほうがいい。
・仮想通貨から仮想通貨に交換する場合
・仮想通貨を現金化した場合
・仮想通貨で商品を購入した場合
また、納税はしっかりと行ったほうが無難です。2018年の9月時点では大幅に価格が下落してますので、利益が出ている人はそう多くはないでしょう。ただ、アービトラージで稼いでいる人はまだまだおりますので、そういった方は、きちんと納税しておくことが無難。
過少申告などで訴えられてもつまらないですしね。
基本的には個人所得で計上している人は、事業者届け出を出して、青色申告をしておけば経費として認められるものが増えますので、届け出をしておいたほうがいいです。65万の控除ができるようになりますので。
また、法人を持たれている方にとってみれば、100%法人で利益計上したほうがいいですね。
実際のところで言えば、私の周りの億り人は、根本的にここの税金対策するために、海外移住をして税金がかからない場所に移ってます。
住民票が基本は1月1日時点でどこにあったかで判定されますので、海外に住みながら利益確定を行うのが良いかと思います。但し、現在ですと下落しすぎなのでそこまでする必要はないかと思われます。
不労所得の税金 株式投資について

株式投資でえた所得は、配当所得と譲渡所得に分類されます。個人ですと申告分離課税になりますので、税率も20.315%に抑えられます。
実際内訳は、以下の通り。
また株式は以下の種類の口座があり課税方式が若干変わるのも特徴です。
1.特定口座(源泉徴収あり):証券会社が投資家に代わって計算するので確定申告が必要なし
2.特定口座(源泉徴収なし):計算はしてくれるが自分で確定申告必要あり
3.一般口座:計算も申告も全て自分
まず、3を選ぶメリットは皆無ですので、外します。
次に、2を選ぶ場合は収入が独身で20万、扶養家族がいる人は38万にいかない場合は源泉徴収がそもそも必要ないので少額で20万ないし38万儲かる予定がない人は、2でいい。
最後に、サラリーマンにとって、3を選ぶ最大のメリットは給与所得だけが年収の対象になるという点。ある程度給料をもらってる人、国から補助を受けている人、社会保険負担を増やしたくない人はこれを選ぶべきです。
理由は、自分で申告した場合のメリットが大きいから。
普通に自分で申告した場合は、譲渡益は申告分離課税の対象となるため、原則確定申告が必要 になります。
従って給与所得と譲渡益を足すことにより収入が増えるため、翌年の住民税・健康保険料などが上がる。加えて、年収が上がることにより子供の補助金がもらえなくなるなどのマイナス面も出る。と最悪な状態になります。
株式だとこの方式が取れますが、FXだと口座種別が一種類しかないので、この方式は取れないという点は勘違いないようにしてください。
株式投資とFX投資と仮想通貨投資と混同してしまう人が多いので、こちらの表も参考にしてください。
